柿田川公園の湧水

柿田川は、静岡県駿東郡清水町の中央を南北に流れる、1.2kmの一級河川です。1日当たり450㎥といわれる富士山の地下水のうち、100㎥が柿田川の水となっています。

四万十川、長良川と並ぶ日本三大清流で、柿田川湧水郡は名水百選に選ばれており、地質鉱物枠で国の天然記念物にも指定されています。また21世紀に残したい日本の自然百選や、名だたる作家や写真家等による日本の秘境百選にも選ばれています。

柿田川は富士山の湧水を水源としているため、水温が年間を通してほぼ15度と安定しており、夏は冷たく冬は暖かい川で、秋には鮎が合流先の狩野川から産卵のために上ってくる等、生物にとっても暮らしやすい環境となっています。

柿田川は周囲から10mほど低い所にあり、深い谷のような地形となっていますが、水際までケヤキ、エノキ、ハンノキ等の林が生い茂り、藤の花が咲き、ミドリシジミやトンボ、ゲンジボタルが飛び交い、カワセミがさえずっています。谷いっぱいに流れる川にはカモが泳ぎ、水中にはテナガエビやサワガニもいます。また柿田川固有の水中植物、ミシマバイカモが自生しています。ミシマバイカモはキンポウゲ科で、梅の花に似た形の可愛らしい白い花を咲かせます。

静岡県の清水町では、1986年に柿田川上流部に柿田川公園を開園しました。川の水源である「わき間」は、三島溶岩流を通って富士山の地下水が湧き出る場所で、何十箇所もあります。柿田川公園には、柿田川の美しい風景を堪能できる、八つ橋などのある遊歩道が整備されていますが、このわき間を眺められる展望台も2つあります。柿田川公園の第一展望台は柿田川の最も上流にあり、第二展望台からは紡績工場の井戸だったわき間を見ることができ、光と砂が美しい色を織りなしています。

柿田川公園の湧水広場では、夏になると親子連れが遊んでいます。広い芝生広場もあり、町民の憩いの場となっています。