白川水源の水

多くの天然水が沸き出でる熊本県。熊本市内の水道水の全てが湧水、ということからも天然水が多いことが分かりますよね。

特に有名なものが南阿蘇村にある白川水源の水です。熊本県阿蘇郡南阿蘇村の白川水源の水は硬度が85と適度な甘さと柔らかさを感じさせ、環境省選定「名水百選」にも選ばれている名水です。

飲み心地の柔らかい白川水源の水はお茶の味を最大限に引き出すとされ、九州各県から大勢の人々が水を汲んでいきます。さらに地酒「白川水源」の原水として使用され、ボトル詰めのミネラルウォーターや、美容効果があると言われる水素水の原水としても使用されています。

白川水源の湧水は阿蘇山頂のカルデラ(火山の噴火口)の内部に溜まった雨水が地面に吸収され、長い年月をかけて地中で濾されながら運ばれた後に南阿蘇村で再び地面に出たものです。

白川水源の湧水は年間を通じてほぼ一定の14度の水温で、湧水量毎分60tです。毎秒約1tもの湧水は一般的な25mプールをたった6分で満水にしてしまうほどの水量で、湧き出た水は湧水地から出るとすぐに膝までつかるぐらいの深さで幅5mほどの川となります。そしてここから湧き出た水は熊本市内を流れる一級河川である白川に注いでいます。

白川村では古くから水に対する信仰があり、水源地横の白川吉見神社に「みつはのめ神」という水神が祀られています。ここの湧水は不老長寿・諸病退散の御清水として昔から尊ばれています。湧水池は水神が祀られている白川吉見神社の境内にあり、水底の砂を巻き上げながら湧き出る様子を直接見ることができます。川の源流である水源池を直接見ることができる泉は全国的にも珍しく、観光スポットとしても非常に人気が高い場所です。

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京極のふきだし湧水

京極町は北海道虻田郡にあり、蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山のふもとに位置しています。この京極町には、京極のふきだし湧水が溢れるふきだし公園があります。ふきだし公園には透き通った綺麗な湧き水があふれ毎日水を汲みに来る人達や観光客で賑わっています。

ふきだし公園は1985年に環境庁の名水百選に選ばれており、2001年には北海道遺産としても認定されています。京極のふきだし湧水は羊蹄山の地下に長い年月をかけて溜まった雨水や雪が地下水となり京極に自然に湧き出したものです。1日の水量は8万トンにもなり、約30万人の生活用水に匹敵する量になります。水温は年間を通して6.5℃前後で冷たさを保っています。

京極のふきだし湧水は硬度は23㎎前後の軟水でとってもまろやかで飲みやすく、コーヒーや和食などに相性が良く喫茶店や飲食店でも利用されています。京極のふきだし湧水はスーパーやネット販売などでも人気のミネラルウォーターになっていたり、ホテルなどでも利用している所が多くあります。

ふきだし公園には名水プラザ、三角ステージ、トイレ、遊具、芝生広場があります。食事処もあり北海名物のジンギスカンやふきだし湧水で入れたコーヒーを味わえます。綺麗な湧き水が流れる川にはヤマメなどの川魚も多く生息し、名水プラザでは取れたての川魚料理を味わうことも出来ます。

京極町周辺はじゃがいもや野菜が豊富で、美味しい食材を味わえる場所でもあります。綺麗な湧き水を利用したうどんやそばなどを味わえるお店も多くあります。観光地として有名な札幌や小樽、洞爺湖などにも近いため、途中立ち寄れるスポットとしても利用されています。

池山水源の水

熊本県にある産山村の池山水源は環境省の全国名水百選、そして熊本県内の名水百選に選ばれている水です。ネット上や旅行会社のランキングでも、旅人が選ぶ水としてトップに位置しています。

池山水源は毎分約30トンという豊富な湧水を誇っていて、水温は13.5度、量と温度ともに季節問わず一定です。水源のある一帯は樹齢が200年を超える杉などの樹木が生い茂り、冬でも成熟した緑を保っている水藻が繁殖していて、湧水が豊富な養分を含んでいることを示しています。だからこそ池山水源の水は口に含むと清涼感を感じます。ミネラルが多く含まれていて飲料に最適であり、昔から産山村など地域の人々にとって貴重な水源となっていたり、農業用水としても利用されてきました。

名水百選に選ばれてからは、県内だけではなく県外からもこの水を求めて池山水源に観光客が訪れています。それとあわせて産山村も熊本県の観光名所となりました。池山水源に来たらまずはそのままの水を味わってみるのがおすすめです。こちらの水はペットボトルや水筒で持ち帰ることができますので、コーヒーや紅茶を淹れる、ごはんを炊くなどに利用してみてください。水道水や市販のミネラルウォーターとは全く違った味わいが得られるはずです。

水源の周囲の鮮やかな新緑も目に優しく、癒し効果が抜群です。小さな滝もあるのでそれを見るのも楽しく、自然を感じたい人にはぴったりの場所となっています。湧水の澄み切った美しさ、そこに映し出される木々の深い緑色が神秘的な眺めとなっていて、大自然の息吹と存在を感じることができます。秋になれば緑の葉が真っ赤に紅葉するので、その眺めも一度は見ておきたい絶景です。

交通アクセスは宮地駅から車で30分、もしくは広瀬橋バス停から徒歩で120分となっていますが、村の南側、役場方面のルートのみとなっているので、徒歩の場合はかなりの時間がかかりますので、事前によく調べてから向かうようにしてください。

まつもと城下町湧水群

松本市は長野県の中西部に位置する中信地方の中心都市で、東西を北アルプスと美ヶ原という高い山に囲まれた人口24万人の城下町です。

周囲の高い山から湧き出した水は女鳥羽川(めとばがわ)や薄川(すすきがわ)となり松本市街地を流れますが、一部は伏流水となって市街地に直接湧き出します。そのため市街地には数多くの井戸があり、今でも清らかな水が湧き出しています。国宝松本城のお堀の水もこの湧き水と言われています。

城下町が整備された江戸時代から現在至るまでそこで生活している人の生活用水や防火用水、町の境目として重要な役割を担っています。水がきれいで豊富なイメージの長野県でも市街地のど真ん中にこれだけの井戸や湧き水が今でも残っているのは松本市くらいでしょう。長野県と松本市はこれをまつもと城下町湧水群として整備し平成20年に環境省「平成の名水百選」に選定されました。

まつもと城下町湧水群は松本城から外堀に沿って南側の城下町に広がり、観光スポットとして有名なナワテ通りや女鳥羽川を挟んだ中町商店街周辺にかけて点在していて、街並みと合わせて「まつもと城下町湧水群」水巡りができるようになっています。いくつかのコースが設定されていて松本駅や松本城の観光案内所で水巡りマップを手に散歩するのがおススメです。

湧水群の数ある井戸・湧き水の中で最も有名なのが「源智(げんち)の井戸」です。古くからある人形店が立ち並ぶ高砂通りにあり、周囲にはおしゃれなカフェや雑貨屋、美術館もあって人気の散策コースになっています。この井戸はその昔「信州第一の名水」とされ時の城主から手厚く保護されていて、一般の利用を禁止していたほどだそうです。一見すると神社のような佇まいですが、現在はこの井戸水を利用してコーヒーを出してくれるカフェもあるそうです。

観光案内所でもらえる水巡りマップには各井戸や湧き水の水質分析結果が記載されているので、太鼓判が押された水は安心して飲めます。どれもとても冷たくおいしい水ですよ。

柿田川公園の湧水

柿田川は、静岡県駿東郡清水町の中央を南北に流れる、1.2kmの一級河川です。1日当たり450㎥といわれる富士山の地下水のうち、100㎥が柿田川の水となっています。

四万十川、長良川と並ぶ日本三大清流で、柿田川湧水郡は名水百選に選ばれており、地質鉱物枠で国の天然記念物にも指定されています。また21世紀に残したい日本の自然百選や、名だたる作家や写真家等による日本の秘境百選にも選ばれています。

柿田川は富士山の湧水を水源としているため、水温が年間を通してほぼ15度と安定しており、夏は冷たく冬は暖かい川で、秋には鮎が合流先の狩野川から産卵のために上ってくる等、生物にとっても暮らしやすい環境となっています。

柿田川は周囲から10mほど低い所にあり、深い谷のような地形となっていますが、水際までケヤキ、エノキ、ハンノキ等の林が生い茂り、藤の花が咲き、ミドリシジミやトンボ、ゲンジボタルが飛び交い、カワセミがさえずっています。谷いっぱいに流れる川にはカモが泳ぎ、水中にはテナガエビやサワガニもいます。また柿田川固有の水中植物、ミシマバイカモが自生しています。ミシマバイカモはキンポウゲ科で、梅の花に似た形の可愛らしい白い花を咲かせます。

静岡県の清水町では、1986年に柿田川上流部に柿田川公園を開園しました。川の水源である「わき間」は、三島溶岩流を通って富士山の地下水が湧き出る場所で、何十箇所もあります。柿田川公園には、柿田川の美しい風景を堪能できる、八つ橋などのある遊歩道が整備されていますが、このわき間を眺められる展望台も2つあります。柿田川公園の第一展望台は柿田川の最も上流にあり、第二展望台からは紡績工場の井戸だったわき間を見ることができ、光と砂が美しい色を織りなしています。

柿田川公園の湧水広場では、夏になると親子連れが遊んでいます。広い芝生広場もあり、町民の憩いの場となっています。

チョコレートの香り?羊蹄の湧き水

わたしたちの暮らしにおける飲料水は水道の蛇口や市販のミネラルウォーターがメインになっています。
昔利用されていた井戸もいまはほとんど使われなくなり、人々の暮らしが都心に集まる現代では湧水も身近なものではなくなりました。

水道水は無料に近い感覚で飲むことができますが、天然の水は健康のためにも役立つことからお金を支払ってもとり入れたいとお考えの方は多いようです。

便利な暮らしが当たりまえになることと比例して、手つかずの自然が減っていく一方、いまも古代の姿を残す地域が日本全国存在します。
そのいずれも天然の美しい水を求めて毎日人が集う場所になっていますが、北海道の羊蹄山のふもとに位置する真狩村の湧き水はその独特の香りが人気を博しているようです。

真狩村はいかにも北海道らしい景色の中に大きくそびえ立つ羊蹄山を有する地域です。
堂々とした羊蹄山その姿は富士山のそれに似ていることから蝦夷富士ともよばれていますが、周りには遮るものがなく羊蹄山の雄大さを視界いっぱいに堪能することができるため、真狩村は北海道の中でも人気のドライブスポットとなっています。

そんな自然があふれる羊蹄の湧き水は誰でも気軽に飲むことができる場所にあります。
駐車場からすぐに湧き水が流れだす場所があり、その場で飲むことはもちろん容器に汲んで持ち帰ることもできます。

羊蹄の湧き水は柔らかな口当たりと、まるでチョコレートのような独特な甘みを含んだ香りがするとの声も聞かれます。
水は無臭というイメージですが、かすかなその香りは羊蹄の湧き水の特徴となっているのです。

湧き水スポットには羊蹄の湧き水を使用して作られた豆腐を販売する店舗も併設されています。
販売されている商品はバラエティに富んでおり、豆腐だけでなく豆腐を使用した惣菜やスイーツなども大変人気があることから午後には売り切れている商品もありますのでここを目的に訪れる際は午前中の到着をおすすめします。

さまざまなラインナップは店内で試食することもでき、ドライブコースに選ばれるスポットとして人気を集めています。

雪解けの水や雨水を蓄え、木々や地層からしみ出す湧水は非常に貴重なものとなりました。
羊蹄の湧き水は地域の人々の手によって大切に保存されています。観光に訪れる人もそのひとりひとりがマナーの心や自然への感謝を忘れずに、これからも人々の憩いの場として守っていく心がけが必要でしょう。

家庭で飲める天然水
watertopic.net

特別天然記念物指定 浅間大社内の湧玉池

静岡県富士宮市に位置する富士山本宮浅間神社は、諸説あるものの西暦806年に現在の場所に社殿が造営されたと伝えられている歴史ある神社です。本殿が国の重要文化財に指定されているだけでなく、2013年に世界文化遺産として登録された富士山を中心とする構成資産の一つにも数えられているほか、壺や薙刀といった静岡県と富士宮市が指定する有形文化財も多く、国内のみならず世界中から参拝客が集まる観光名所になっています。

その富士山本宮浅間神社の境内にある池が湧玉池です。湧玉池は水量が非常に豊富なだけでなく、池の水が全て富士山からの湧き水であるというところに特徴があります。富士山に降り積もった雪の雪解け水が溶岩の間から湧き出ており、一年を通して水量に増減がないのです。池にはニジマスなどの魚や鴨などが悠々と泳いでおり、ほとりでは鳥が飛び回っている自然あふれる光景が広がっています。1952年に国の特別天然記念物に指定されたほか、2008年には平成の名水百選にも選ばれています。景観が非常に美しく、湧き水の透明度が高いため水中の植物や湖面に反射する社殿など観ていて飽きることがありません。また、春には池のほとりに見事な藤が咲き、より一層情緒を際立たせてくれます。この景観は富士山周辺のみならず富士宮市や静岡県の名所として知られるようになっています。

湧玉池は富士山の登山路入り口にあることから、古くから修験者が富士山に入山する前に身を清める場所としても活用されてきました。現在でも山開きされるときには男性はふんどし姿、女性は白装束に身を包んでみそぎを行う神事が続けられています。

「平成の名水百選」は選定条件に飲用であることは含まれていないものの、湧玉池の水は飲むことも可能です。池の水は直接飲むことはできませんが、飲料用のパイプを流れている水は飲用としても利用可能なのです。そのまま飲むことも可能ですが、煮沸してから使うようにという注意書きがあるため気にするようであれば持ち帰って沸かしてから飲むようにするべきです。料金は無料ですが、霊峰富士のご神体に染みこんだ天然水であり神水とされているため、二礼二拍手一礼の後に汲むことが望ましいとされています。もし持ち帰る場合の容器を持っていない場合は、ペットボトルが用意されているのでお賽銭を納めて活用させてもらいましょう。

湧玉池は、景観が美しいだけでなく池の水も富士山の恩恵を受けている池なのです。

水の都島原の島原湧水群

昔から「水の都」として知られている長崎県島原市。市内の至る所に、雲仙山系に育まれた、炭酸ガスを適度に含有する湧き水が湧出しています。これは、今からおよそ200年前に起きた普賢岳の噴火によるもので、当時眉山の崩壊によって長崎県島原市地域には随所で地割れが起き、水が湧き出したと言われています。60か所ほども湧水箇所を持つこの地域は、島原湧水郡と呼ばれ、1985年に環境省による全国名水100選にも選ばれました。島原湧水郡では公園や島原城周辺だけではなく、普通の道やアーケードの中にも湧水ポイントが存在していますが、なかでも長崎県島原市に来たらぜひ訪れたいスポットを紹介します。

まずは「鯉の泳ぐまち」。下新町というところでは、昭和53年から毎年、町内会が中心となって毎年5月5日に、清流に色とりどりの鯉を放流しています。道端の堀の澄みきった水の中を、普通の鯉、錦鯉、三色鯉、金色の鯉等が優雅に仲良く泳ぐ様子には、思わず笑顔がこぼれてしまいそうです。5月5日には、死んでしまった鯉のための供養も行われています。近くには無料休憩所のしまばら湧水館もあり、歩き疲れた体をせせらぎの音が癒してくれます。ここでは島原名物かんざらしの手作り体験も行われています。

明治時代につくられた湧水庭園である四明荘は、四方の眺めが良く、座敷から2方向へ続く池には鯉が泳ぎ、楓や赤松等の植栽とも見事に調和しています。島原湧水郡の中でも特に市民に親しまれるこの美しい庭園は、平成20年に国の天然記念物となりました。
白土湖は、200年前の眉山崩壊の際に上の原地域が陥没してできた湖です。東西200m、南北1kmほどの湖ですが、1日に4万トンの水が湧き出ています。

少し離れたところにある浜の川湧水は、古くから人々が共同で使っている水場で、豊富に湧き出る井戸水と住民たちとのつながりの深さを実感できるところです。このような洗い場は、白土湖洗い場、音無川洗い場等、島原湧水郡の各所にあります。また水と共に暮らす島原の人々は、水神様も随所に祀っています。

武家屋敷水路は歴史を感じさせる湧水スポット。お城に続く武家屋敷街の中央を流れる堀の水は、熊野神社からのもので、昔は飲料水であったため水奉行が厳重に管理していました。温泉の湧き出るところも何か所かあります。島原湧水郡めぐりで疲れた足は、サンシャイン中央街近くの駐車場のそばにある、ゆとろぎ足湯で癒しましょう。

日本名水百選 三分一湧水

日本名水百選に選定されている三分一湧水とは、山梨県北杜市長坂町および小淵沢町に点在する八ヶ岳南麓高原湧水群のひとつですが、その他の代表的な湧水地として、女取湧水、大滝湧水などがあり、これらの湧水群は、1985年に名水百選に選定されました。
三分一湧水は、山梨県北杜市の静かな雑木林に抱かれ、年間を通じ水温が10℃前後で、日量8500tという豊かな湧出量を誇る湧水として知られています。

そして、近くにある三分一湧水館では、八ヶ岳山麓の湧水の水質やしくみ、歴史などを紹介する展示がされていて、移設された農産加工直売所には、地元で採れた新鮮な野菜や加工品が豊富に並び、地元産のそば粉を使った風味豊かな手打ち蕎麦も味わうことができます。
また、山梨県北杜市にある三分一湧水の歴史は、戦国時代に武田信玄が整備して下流にある三つの村に農業用水を三等分するために三角石を置いたという言い伝えがあるように、現在でも、三角石は堰の真ん中に鎮座しています。
さらに、近隣には、信玄が信濃攻略のために整備した軍用道路の棒道の出発点のひとつがあるなど山梨県北杜市の歴史ロマン溢れる場所でもあります。

なお、三分一湧水の名前の由来は、三分一湧水下流の村々に長年続いた湧水を巡る利権争いを治めるため、江戸時代に入ると湧出口の分水枡に三角木柱の利水施設が造られ、湧水を三方向の村落に三分の一づつ平等に分配できるようになったことから付けられたといわれています。
現在では、1922年に完成した石造りの枡が用いられて、利水の権利を持つ地域住民が組織する管理組合などが管理を行い、農業用水として利用されていますが、毎年、6月1日には、水元と称する旧小荒間村の坂本家を主座に、関係集落立会いの下に分水行事が行われています。

そして、小淵沢町の大滝神社の地内にあり、大木をくり抜いた桶口から湧水が流れ落ちる大滝湧水は、古くから伝記として伝わる湧水で、年間水温が12℃、日量22000tもの湧水が湧出しています。
江戸時代には、甲府代官が民有地を買い上げて保全を図り、現在では地区住民によって管理され、周辺は公園として整備が行われて、秋には紅葉が素晴らしい景観の場所となっています。

このような八ヶ岳南麓高原湧水群には、三分一湧水や大滝湧水などの代表的な湧水のほか、50箇所以上もの湧水があるといわれ、現在、28箇所以上の湧水が確認されていますが、標高約1,000m付近に点在する多くの湧水群は、利水が不安定なこちらの地域にとって、古来から重要な役割を果たしてきています。

ニセコ名水甘露水

北海道には、おいしい水が味わえるスポットが数多くありますが、なかでも「ニセコ名水甘露水」は、遠くからも汲みに訪れる人の多い名水のスポットとして知られています。「トリップアドバイザー」のサイトでは、北海道のニセコの観光で4位を獲得しており、訪れた感想の口コミも数多く掲載されています。「ニセコ名水甘露水」を遠くから汲みに来る方は、この水でお米を炊いたり、コーヒーを入れたりしているようです。また、料理を提供する際に、この水を使っている飲食店もあるようです。

「ニセコ名水甘露水」は、JRのニセコ駅からバスで約15分のところにあり、水汲み場は「ニセコグランドホテル」の道路の対岸に位置しています。水を飲んだり汲みに行く場合には、交通の便を考慮して、レンタカーなど車を利用するのがおすすめです。なお、向かいにある「ニセコグランドホテル」に宿泊すると、1Fのフロント前にあるロビーと、客室内の冷蔵庫に「ニセコ名水甘露水」が用意されているそうですので、旅行などで滞在すれば、ゆったりと味わうことができます。

「ニセコ名水甘露水」が「甘露水」と呼ばれるきっかけとなったのは、昭和天皇が冷たい湧水を「甘露である」と評したこととされています。太平洋戦争後の昭和29年8月に、北海道を広く慰問・激励されることを目的として、昭和天皇、皇后両陛下がグランドホテルにご滞在された際に、湧水を飲まれたとのことです。ご巡幸をきっかけとして、両陛下行幸啓記念の「甘露水」と呼ばれるようになり、広く親しまれています。

ニセコグランドホテルによると、「ニセコ名水甘露水」には、「シリカ」が豊富に含まれているそうです。ニセコ名水甘露水のシリカの含有量は、全国湧水平均値の5倍にあたる50mgとされています。「シリカ」は、必須ミネラルとして重要な役割を果たしています。1日当たりの摂取量の目安は10~20mg程度とされていますが、食品に含まれている量が少なく、意識的に取り入れることが望まれる栄養素とされています。シリカは、皮膚や髪の毛、爪などに含まれていて、これらの成長をつかさどる働きを担っています。また、エラスチンやヒアルロン酸とともに、肌を健康に保つ働きもしていますので、美肌づくりにも効果的です。さらに、カルシウムの吸収をサポートする働きもあるとされています。

周辺には、美肌効果の期待できる温泉も豊富にありますので、名水とあわせて試してみてはいかがでしょう。